・商社を辞めた後どんなキャリアがあるのか知りたい人
この記事はこんな方々のために書きました。
総合商社を辞めた私はこんな風に思っています。
https://twitter.com/tanomosan/status/1263451660556230657?s=20
そうです、一度たりとも辞めたことに後悔したことはありません。
いまでも大好きな商社という業界、仕事、人々の「今までありそうでなかった」実情について解説します。
「総合商社を辞めたい」をお話する前に
まず予めお伝えしたいことは、
今でも総合商社という業界、仕事内容、商社で働く人に敬意を払っています。商社で働いていたことは自分でも誇らしいとも思っています。
まず私は就活中に総合商社を受けて7社受けて、そのうち2社から内定をもらい、東京・名古屋に本社を構える総合商社に入社しました。(どこか大体わかりますよね。。)
その後配属された自動車関連事業部で5年間働いて、退職しました。そして今はITベンチャーで働いています。
あともう一点、断わっておきたいことは、この記事は別に感情的になって前職の嫌味を書こうと思って書いているわけではないということです。
冷静沈着に総合商社を辞めた理由、今思うこと、辞める前に思っていたことを赤裸々にお伝えします。
「総合商社を辞めたい」と思っている人へ。私が総合商社を辞めた理由
総合商社は長年新卒、中途採用でも人気上位を占める憧れの業界です。
「平均年収が高い」「グローバルな仕事ができる」「モテる」など色々なイメージがありますよね。
では、そんな総合商社をなぜ5年で退職したのか?
自分の担当事業範囲が狭すぎると感じたから
社内で事業が細分化されすぎていて自分の担当する分野が狭すぎて窮屈に感じたからです。(大企業はどこもそうですが)
元々「大きな仕事をしたい!」と言って総合商社を志望していたのですが、その「大きい」という定義が規模だけではなく「自分の経験できる範囲」もあったとは入社して数年経ってから気づきました。
もちろん月数十億もの金額的な規模が大きい仕事をします。ただし私にはそれを「ワクワクする大きな仕事」として感じられなくなりました。
このきっかけとなったイベントを紹介します。
商社マンの醍醐味「新規事業を立ち上げ」したと思ったら別部署に引き継がれる
商社マンの仕事の醍醐味でもある、新規事業創造。このキーワードが就活イベントでも飛び交っていますよね。
入社3年目に運良く私は新規事業立ち上げに携わりました。それもその立ち上げのコアメンバーとして。
いざ売上が出そうなタイミングで、別部門からその事業を引き継ぐよう指令がありました。
結局、その別部門の方が関連している事業とのことで初月売上が立つ直前にそのプロジェクトから外れました。
今冷静に考えると会社として正しい判断だったと思いますね。。 専門部隊に渡す方が売上最大化しやすいので。
この件で私は自分の担当範囲・担当する事業範囲の狭さを知ることとなりました。
そして、そのころからスタートアップに興味を持つようになりました。
商社マンとして5年後、10年後のキャリアプランが描きづらいと思ったため
商社の業界でよく使われるフレーズは「同じ部署に10年いて一人前」という言葉です。
それではキャリア終わってしまいますよね…
そんな思想が根底にあったからです。幸い私が配属された部署では1-2年目からバンバン一人で仕事を任せてもらえました。商社の稼ぎ方、仕組みを学べてかなり楽しかったです。
ただ、大半の5年上の先輩、はたまた10年上の先輩を見ていると若手とほぼやっている仕事が同じでした。
それを見て疑問を抱きました。
「自分はここでどんなスキルが学べて、どんなキャリア形成したいのだろう..?」
(かっこつけ風に言うと)その答えが出せなかったので辞めました。
ただ誤解してもらいたくないのが、一概にすべての総合商社、事業部で同じ状況とは言えないです。
もちろん超優秀な人はいて、10年ぐらい飛び級して昇格し、他部門にヘッドハンティングされ経験範囲を広げる方もいます。
あとは、ほぼどの総合商社にもあると思いますが、「ジョブローテーション」という人事制度があります。これは若手に対して5-7年ごとに希望があれば配属部門を変えられる制度です。
私の場合は、自分の可能性を広げるのに転職が最短だと思ったので辞めることを決めました。
商社での社内営業・接待が合わなかったため
こちらは単純に自分と社風が合わなかったためです。商社は、「体育会系」のイメージが強いですよね。
前職では体育会出身者はそこまで多くないですが、上下関係はかなり厳しかったです。
そして社内の人に対するマナーや気遣いは徹底的に叩き込まれました。(今思えば良い学びですね)
例えば、
・会食時に入店したらすぐに上着を脱がせ、カバンを持ってあげる
・会食が終わりそうなタイミングですぐ外に出てタクシーを止めて待っててあげる
・会食翌日にお礼のメールを送って、その直後に直々に挨拶しにいく 等々
⇒文字で起こしてみると笑えますね、、
社外の人ならまだしも社内の人に自分が接待している状況、先輩がやっているのを見ている状況はストレスに感じました。
ストレスにもならず、疑問も持たず自然にできちゃう人だったらよかったのですが、出来ませんでした。
「総合商社を辞めたい」と思ったのは激務だからではありません
ここまで私が総合商社を辞めた理由を紹介しましたが、同じく総合商社を辞めた人で一番多い理由が「仕事が激務だから」です。
正直言って、商社マンは激務です。出張は多いし、海外とは時差があり夜中からビデオ会議があることも少なくはありません。なので実質労働時間は極めて長い方だと思います。
ただ、私は「激務」だから辞めた訳ではありません。
特殊かもしれませんが、働いている時間が好きです。
ただ、倒れてしまったら元も子もないのでそこまで過労しているのなら休暇か転職を考えることをおすすめします。
商社マンとして働いてて良かったこと。総合商社は超ホワイト企業
冒頭にも言いましたが、総合商社に就職して後悔していません。むしろ入って良かったと今でも思っています。
商社マンとして働いていて良かったことを紹介します。
働いた分だけもらえる。総合商社はホワイト企業。
商社マンは忙しいものの、その分報酬は良いです。そして、今の時代の総合商社では、労務規則がしっかりとしており、残業した分すべて残業代が出ます。
私も含め若手でも残業代だけで日本の平均年収を超える人も社内には多くいました。
また、福利厚生は驚くほど良いです。高級旅館が1万円ぐらいで宿泊出来たり、会社の別荘がほぼ無料で使えます。あと出張手当、住宅手当、駐在手当などかなり手厚いです。特定地域の駐在員になると、役職関係なしに社用車とドライバーまで支給されたりします。
職務経歴として総合商社の価値は高い
総合商社に入ると転職は簡単にできます。職務経歴に博がつきます。その後のキャリアの選択肢が増えたことが良かったです。
例えば、私の場合、転職活動期に転職エージェント経由ですぐに10社ぐらいからオファーが来ました。
他社の総合商社や専門商社、営業会社やメーカーのマーケティング職などからです。
総合商社出身は転職に有利かと思います。
商社マンはモテる
モテるというか、他社女性からの合コンのお誘いはめちゃめちゃあります。やはりどこか華やかなイメージがあるからでしょうね。あとは、よく聞くのは駐在で海外で生活したいという女性が多いからということ。要は駐妻(駐在員の妻)になりたいという人が多くそういう人たちから積極的にアプローチがよくあったりします
その他商社マンに対するイメージについて解説した記事もどうぞ。
総合商社からの転職先はどんな業種?
では、総合商社からの転職先で多い業界はどこでしょうか?
結論から言うとこの3業種です。
・スタートアップ
・外資金融
私の感覚だと外資コンサルへ転職するひとが圧倒的に多いですね。同期でも何人かいます。
その次はスタートアップです。私もその中のひとりです
自由な環境で新しい価値を提供してみたい!と言って生まれたてのスタートアップに創業メンバーとして参画するひとも少なくはありません。
最後に外資金融です。商社で事業投資に携わっていた人が特に多く転職します。
私が転職時に登録したおすすめハイクラス転職サービス 【商社からの転職に必須】
総合商社からの転職を少しでも考えている方はまずは以下転職エージェントに登録しておけば間違いないです。
すぐに案件を紹介してくれると思うので、時間かけて企業探しすれば良いかなと。
・en World(エンワールド)
→ 巨大転職サイト「エン転職」が運営する グローバル系・外資系専門の転職エージェント。日系エージェントだけあって、7大商社とのパイプは太く、商社中途案件は結構保有している。(非公開含め)商社(特に総合商社)の総合職への転職を狙うならマスト。現在年収600万円以上あり、商社転職して年収800-1,500万円ぐらいのレンジを狙いたい人はおすすめ。
・JACリクルートメント
→ ミドル~ハイクラスの転職の特化した有名転職エージェント。外資コンサルからベンチャーの管理職まで幅広い業種を紹介してくれる。
・doda
→ dodaは、割と年収高め(600万円以上)の職種に絞った大手転職サイト。何といっても求人案件の量は日本トップレベル。エージェントサービスと併用するのをおすすめ。
・ランスタッド
→ ハイクラス求人に完全特化した転職エージェント。20代・30代で日系大手や外資で年収アップを狙いたい人におすすめ。
・リクルートエージェント
→ 総合型なのであらゆる業種・職種をカバー。特に都市部のITベンチャーに強い傾向。
総合商社を辞めたいと思って行動する前に知っておくべきこと
辛くてすぐに総合商社を辞めたい!と思っている方もいるかと思います。ただ、そんな方も総合商社を辞める前に以下のことは認識しておくべきかなと思います。
・一度退職したら二度と戻れない → 後戻りはできません。
・家族から反対される → 本当に考えて決断したのなら、説得するっきゃない!
・夢の海外駐在生活はしばらく困難 → 転職先ですぐに駐在に行けるところはほとんどありません
直ぐに覚悟することは難しいと思います。じっくり時間をかけて「本当に何を大切にしたいのか」考えるべきだと思います。 他の人がどんな理由で商社を辞めてたのか知っておくに越したことはないのでこの記事も是非。
■関連記事:商社は年収が高いのに若手がどんどん辞めていく理由【実例あり】
まとめ:総合商社を辞めたい人へ 「人生は一度きり」
ここまで私が総合商社を辞めた理由をお伝えしてきました。やはりキャリアを積んでいく中でどうしても自分の信念が変わることがあると思います。むしろ変わるのが普通だと思います。
私の場合はその思い立った直後にすぐ転職活動を始めて、その10か月後に退職届を出しました。
超ホワイト企業な前職ですが、辞めたことを後悔したことは一度もありません。
人生は一度きりです。その瞬間にしっかり考えての決断で後から後悔することはほとんどないと思います。
まだ総合商社を辞めたいけど「今はまだ考えたい」という方へ
現代において、転職だけがキャリアアップの手段ではなくなってきました。
現職で働きながら、副業を始めてキャリア形成している人も大勢います。
自分の能力を客観的に見つめ直すいい機会ですしね。うまくいけば副収入も入り生活が更に豊かになりますし、おすすめです。
リモートワークで始められる副業を以下記事で解説しています!
みなさんの新しい挑戦が上手くいくことを願っております!